若狭湾はホットスポット 京大水産実験所の松井さん 多様なハゼ類55種を確認 日本海初記録の4種も【舞鶴】

若狭湾はホットスポット 京大水産実験所の松井さん 多様なハゼ類55種を確認 日本海初記録の4種も【舞鶴】

投稿日時:2013年7月26日

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長浜の京都大学舞鶴水産実験所で研究活動をする同大学大学院農学研究科・博士課程3年の松井彰子さん(27)が、舞鶴湾を含む若狭湾でハゼ類の採集と研究に取り組んでいる。生息を確認した55種の内、4種は日本海側で初記録だった。これまで日本海沿岸域ではハゼ類の種類が少ないと考えられてきたが、若狭湾は多様なハゼ類が生息しているホットスポットであることが明らかになった。
 舞鶴湾に流れ込む中小河川の河口域や、同湾を含む府内の若狭湾西部の海域で、主に2000年以降に採集された標本を基に記録し、自身も09年からフィールド調査を開始した。舞鶴湾内では1970年代に海洋生物相の調査がなされたのみで、ハゼ類に絞った継続調査はされておらず、どれだけの種が生息しているのか不明だった。
 調査の結果、2科34属55種を確認した。この内、21種は若狭湾初記録で、少なくとも7種において若狭湾が日本海側の分布の北限、及び東限の記録となった。また、環境省レッドリストに載る稀少な汽水域の魚類が6種含まれていた。
 10年に舞鶴湾内で初の採集となったタビラクチは、13年版レッドリストで絶滅危惧種に指定されている。約30年前まで舞鶴湾内でよく見られたキヌバリは、近年ではほとんど目にされなくなった。水通しのよい藻場を生息地にしているが、河川改修や護岸工事による藻場の消失が影響する可能性がある。ツマグロスジハゼ、スジハゼ、ヨモウハゼは元々同種と考えられていたが、半年前に別々の和名が定まった。
 若狭湾で多種のハゼ類が生息している理由について、松井さんは「典型的なリアス式海岸や、由良川河口のように大規模な砂浜海岸、水深200メートルを超える深場、良質な砂泥底の環境が湾奥部の河口域に形成されているなど、様々な水深、塩分、底質が多様な組み合わせで存在することが大きい」と環境の多様性との関連性を指摘している。詳細については近く論文で発表する予定。

写真左=舞鶴湾でハゼ類の採集をする松井さん
写真中=①舞鶴湾で近年見られなくなったキヌバリ
写真右=②半年前に和名が定まったツマグロスジハゼ
(写真①②は松井さん提供)