舞鶴の小さな酒蔵から世界へ 池雲648本タイへ輸出

舞鶴の小さな酒蔵から世界へ 池雲648本タイへ輸出

投稿日時:2016年7月29日

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    商品を持つ池田会長
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     輸出される商品
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   輸出用に作られたラベル

 このほど中山の池田酒造(=池田恭司社長)が、タイとの輸出商談成約にともない、同社初の輸出事業として清酒の出荷作業を行った。今回出荷したのは720ml「純米大吟醸・池雲」264本と720ml「純米・池雲」384本の計648本。ローマ字表記で「IKEKUMO」と書かれた2種類のラベルにはタイ語で記載された義務表示の他に「日本の酒米の王様 山田錦100%」や飲み方が英語で表記されている。
7月26日、50箱以上にも及ぶ商品は日本通運舞鶴支店のトラックで神戸港に運ばれ、8月3日に同港を出港、8月中旬にタイ・バンコクへ到着予定。
 同社は当地唯一の酒蔵として1879年(明治12年)創業、約20年間、酒造りを休止していたが、2008年に試験的に自家醸造を復活させ、前記の「池雲」など、手作業による仕込みは毎年新たな技法に挑戦、小さな蔵だからこそできる少量生産による「旬」の日本酒づくりにこだわっている。
 今年3月、海外向けの輸出事業を担当している池田博之取締役会長(75)は以前在籍していた日東精工専務取締役時の人脈を活かしタイでの営業活動を始めた。
 ターニングポイントとなったのは、紹介される形で知り合ったカリフォルニアワインの輸入販売会社「THE California wine Co.Ltd」のオーナーとの出会い。同社はチェンマイ・プーケットなどの同国主要都市のほか、シンガポールにもオフィスを置き、東南アジアを中心に展開する20年以上ワイン輸入の実績がある会社だ。
 清酒の試飲や連絡のやり取りを重ねる中で、ある日オーナーから「池田酒造の商品を扱いたい」との意思表示があった。
 「まさかこんなトントン拍子で話が進むとは思わなかった」と池田会長は当時の衝撃を振り返り「色んな人とのつながりの中で生まれた結果。関わってくれた方すべての人に感謝しています」と語った。
 国の統計によると現在タイでは、在留邦人数が年々増加傾向にあり、2010年の4万7251人が2014年には6万4285人となっており、日本人駐在員が利用する日系スーパーや百貨店などが増える中、同国での日本食ブームの後押しもあり、日本食レストランが急増している。そのため和食に合う日本酒を嗜む人が増え、2010年からの5年間で清酒は約76.9%増と大幅に伸び、2014年の輸出量でも世界第8位につけている。
 「日本酒」、「和食」などの日本ブランドはタイを中心に東南アジアではポテンシャルのあるマーケットとなっている。
 「様々なデータが出てくると思うので楽しみです。今回を基盤にして広めていきたい」と語る目はすでに次の展開を見据えているようだった。
 舞鶴の小さな酒蔵から世界へ。
 どんな展開に発展していくのか、期待せずにはいられない。