田井漁協の定置網 8月では異例、カタクチイワシ豊漁  【舞鶴のニュース】

田井漁協の定置網 8月では異例、カタクチイワシ豊漁 【舞鶴のニュース】

投稿日時:2003年9月9日

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舞鶴市田井の田井漁業協同組合(水上隆夫組合長)の定置網漁で、漁獲量が1年の内でも最も少ない夏枯れの8月に、カタクチイワシが昨年同時期の3倍以上の水揚げ量を記録した。それに伴ってカタクチイワシをエサとするハマチなどの漁獲量も増え、冬場のブリ漁が主体の同組合の8月の水揚げ高としては、冬の水揚げ高に並ぶ異例のものとなり、漁業者らも驚いている。府内全体でもカタクチイワシが増えているというが、専門家は例年に比べて低い海水温などの関係を指摘しており、冷夏の影響が海の中にも及んでいる。
 カタクチイワシは「海の米」とも呼ばれ、大きな魚のエサになり、ブリなどがカタクチイワシの大群を追って岸の定置網に入る。大きさは13センチまでで、煮干しなどの加工用などになる。漁獲シーズンは5月が中心で、8月になると少なくなる。それに伴って他の魚の漁獲も減り、定置網漁では8月は夏枯れの時期と言われてきた。
 秋から冬のブリ漁を主体とする田井の定置網では、カタクチイワシの漁獲量は今年7月が67トンで昨年同時期の43トンを上回り、8月は173トンと昨年同時期の51トンから大きく増え、夏場ではここ15年間にない盛漁だったという。同時に8月はハマチやイカなどの漁獲も増え、同月の全体の水揚げ高は4470万円で、過去5年間の1425万円~2098万円を大きく超え、冬場に劣らない漁獲高だった。
 また、予想外のことはハマチにも見られた。例年なら南下しているハマチが定置網に入るが、今年は北上しているハマチが網に入っており、しかも型が大きいのが特徴となっている。水上組合長は「夏にこんなに漁があったのは記憶にない。予想外の豊漁で喜んでいる一方、魚の動きがこれまでと変わり、海の中も異変が起きているようで、秋の漁の予想がつかない」と話していた。
 8月のカタクチイワシの豊漁は府内だけでなく、瀬戸内海でも報告されている。水産海洋学が専門で日本海に詳しい京大水産実験所の上野正博助手は「今年の夏の海水温が例年より一度低いことのほか、カタクチイワシをエサとするミズクラゲが少ないこと、長雨で陸からの栄養分が海に供給されて植物プランクトンが多いことが関係しているかもしれない」と指摘している。
写真=定置網から水揚げされたカタクチイワシ