海洋センターの岩ガキ試験養殖順調 田井沖に鋼製魚礁、実用化にめど【舞鶴】

海洋センターの岩ガキ試験養殖順調 田井沖に鋼製魚礁、実用化にめど【舞鶴】

投稿日時:2005年7月26日

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 府立海洋センター(宮津市)は、田井の田井漁港沖の若狭湾に設置する鋼製魚礁で養殖試験をしている岩ガキが、出荷サイズにまで順調に成長していることを確認し、7月21日、その一部を初めて収穫した。魚礁を用いた浮体方式による岩ガキの養殖は、全国でも初の取り組み。同センターはこの方式での養殖の実用化にめどがついたとする。田井漁業協同組合では養殖とともに、この魚礁の集魚効果の高さも合わせ、魚礁の活用を本格化させたいとしている。夏の海の味覚として知られる岩ガキは、磯の海底の岩場に生息。天然ものは府沿岸では減少傾向にあり、ピーク時に200トン、1億円あった水揚げ高が2003年には約5000万円に半減した。同センターは、筏から吊るした方式の養殖を穏やかな舞鶴湾など3カ所で普及に取り組む。養殖岩ガキは天然ものと比べ、殻が薄い割に身が大きいのが特徴。さらに、波の高い外海でも養殖ができる方法を大阪市の民間会社と開発を進め、同センターが2003年2月から同組合の協力で養殖試験を始めた。漁港から沖合2キロの水深12メートルの地点に4基の魚礁を設置。下部が鋼製魚礁(縦4.8メートル、横2.4メートル、高さ2.4メートル)、上部に耐圧ブイにつないだロープをフックで魚礁に結ぶ。1本のロープには、岩ガキの種苗を付けたホタテ貝の殻五、6枚が吊り下げられている。1基の魚礁に28本のロープがつながれる。ブイは重さ11キロに耐えられる浮力を備え、海面から約5メートル付近にあるので、船の航行に支障はない。岩ガキの位置が水深5~10メートルと深く、海面上に構造物もないため、ムラサキイガイの付着が少なく、養殖期間中に行う作業はない。外海での養殖では出荷まで3、4年かかるが、今回は2年半で殻の大きさ10~13センチ、重さ180~321グラムの出荷サイズにまで成長し、21日には約500個、150キロを初めて収穫した。また、魚礁部にはメバルなどの底魚類、上部の岩ガキにはマアジなどの浮魚類が多く集まっており、集魚効果が高いことも分かった。同センター主任研究員の和田洋蔵さんは「鋼製魚礁に天然岩ガキが付着していたが、これは養殖岩ガキを母貝にしたものと考えられ、天然ものの資源回復にもつながる。収益性を高めるため、たくさんのロープを結んだ改良基の魚礁を年内に投入したい」としている。同組合の水上隆夫組合長は「2年半でこの大きさならまずまず。魚礁のそばに網を入れるなどの利用法も考えられ、本格的に取り組みたい。従来の定置網と育てる磯資源の複合経営を目指していきたい」と話していた。

写真左=ブイにつないだロープにびっしり付く岩ガキ
写真右=岩ガキの養殖機能を備えた鋼製魚礁の図