松山市「坂の上の雲1000人のメッセージ展」 田主さん(舞鶴出身の版画家)が絵を出品【舞鶴】

松山市「坂の上の雲1000人のメッセージ展」 田主さん(舞鶴出身の版画家)が絵を出品【舞鶴】

投稿日時:2008年4月11日

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作家、司馬遼太郎さんの代表作、『坂の上の雲』の舞台となった愛媛県松山市にある「坂の上の雲ミュージアム」で、舞鶴出身の版画家、田主誠さん(65)=茨木市=が、企画展「『坂の上の雲』1000人のメッセージ展」に作品を出品している。司馬さんとゆかりがあり、各分野で活躍する芸術家ら50人の招待作家が作品を寄せる。田主さんは明治の青春群像と時代のエネルギーを、三角形を多数重ねた抽象画で表現した。  司馬さんは40代の10年間を費やし、小説「坂の上の雲」を完成させた。新聞記者となり俳句の革新に力を尽くした正岡子規、陸軍の騎兵を育てた秋山好古、海軍で近代戦術を確立した秋山真之の兄弟。同時代を駆け抜けた松山出身の3人を中心に、近代国家を目指す明治の日本を日露戦争を交えながら描く。  松山市は3人の足跡が残るまち全体の拠点施設「坂の上の雲ミュージアム」を昨年4月に開設。企画展ではこの小説が発するメッセージを絵や写真、短歌などで表現することをテーマにし、司馬さんと縁のある作家50人の作品、全国公募の439点を展示する。銅版画家の山本容子、建物を設計した建築家の安藤忠雄、写真家の荒木経惟らが想いを寄せた。  国際版画展に入選した田主さんは、国立民族学博物館勤務時に世界の民族文化を題材に版画を制作、独立後は新聞連載や個展で作品を発表する。司馬作品については以前から愛読し、生前や自宅で亡くなる直前にも面会した。いまも夫人らとの親交は続き、司馬遼太郎記念館(東大阪市)の会誌発行などの活動に協力している。  出品した作品は絵画「明治想曲」(100号)、陶板(35センチ四方)の「風と雲」「雨と波」の3点。「明治想曲」は、電信、号砲、騎馬や兵隊の駆ける音、主人公らの青春を謳歌した叫び声など明治のエネルギーを、舞鶴の海と波をモチーフにした三角形だけで表現し、ブルーの色鉛筆で彩色した。展示は来年3月下旬まで。  田主さんは「3人の交友を軸に近代化に向かってゆく気概のある日本人が描かれている一方、戦争で多くの兵士たちが上官の命令のまま死んでいった惨状があり、明治の兵士たちはこれほどまでに国家のために死んでいったのかと、むなしさが募る。戦争とは、国家とは、日本人とは、人間とはと問いかけられた」と、小説から受けたメッセージを話していた。

写真=小説のメッセージを表現した絵と田主さん

【舞鶴】