引揚記念館 世界記憶遺産申請資料 ウクライナ抑留 木内さん絵画展【舞鶴】

引揚記念館 世界記憶遺産申請資料 ウクライナ抑留 木内さん絵画展【舞鶴】

投稿日時:2014年3月25日

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平の舞鶴引揚記念館で、終戦後に旧ソ連の東欧・ウクライナに抑留されていた、漫画川柳作家の木内信夫さん(90)=千葉県柏市=の体験画を紹介する企画展「抑留と交流と」が開催されている。色鮮やかな水彩画(A5判)で描かれた木内さんの体験画は、収容所で日本兵とロシア兵が相撲をとる様子などのふれあいの日々も描かれ、過酷だけではなかった抑留生活の側面を多面的に見ることができる。
 旧満州で陸軍航空隊兵だった木内さんは、旧ソ連軍の捕虜となり、ウクライナのスラビヤンスク収容所で約3年間抑留生活を送り、1948(昭和23)年に恵山丸で舞鶴港に引き揚げた。帰国後、好きだった絵で息子たちに抑留体験を伝えようと、色から表情まで鮮明に覚えている記憶を描き始めた。1996年には水彩画40点を同館に寄贈している。
 今回の企画展では、昨年2月に新たに寄贈された65点を紹介。28点を実物で、37点をプロジェクターで投影し展示している。工場で知り合った身長2メートルのロシア兵の肩に乗る日本兵やヒマワリ畑で羊を追うロシアの少女、抑留中のドイツ兵と楽器演奏や卓球を楽しむ様子など、他国の捕虜兵士との交流も描かれ、餓死や凍死に脅された過酷な状況ばかりではなかった日常を、温かな視線でユーモラスに伝えている。
 木内さんは「収容所での生活を通して、他国の捕虜もソ連兵も誰も本当に戦争を望んでいるものはいないと感じた」と話している。計105点寄贈された絵画のうち40点が、市がユネスコに申請した世界記憶遺産の資料に含まれている。3月22日には同館を訪れ、記憶遺産登録にかける思いなどを語った。
 企画展は4月23日まで。午前9時~午後5時(最終入館は午後4時半)。プロジェクターでの投影展示は1時間上映で、午前9時、同11時、午後1時、同3時からの4回。毎月第3木曜は休み。入館料は大人300円、学生150円(市内在住・在学者は無料)。
【問い合わせ】電話68・0836、同館

写真左=プロジェクターでの展示
写真右=木内さんの体験画