引き継がれる平和のバトン。【舞鶴】

引き継がれる平和のバトン。【舞鶴】

投稿日時:2016年5月10日

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写真=紙芝居で歴史を伝える若浦中の生徒
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  写真=当時の労働を体験
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  写真=引揚の歴史を語る谷口さん

平の舞鶴引揚記念館で引き揚げの歴史を語り継ぐ平和の活動が広がっている。
こどもの日にちなみ5月5日、同館を1日無料開放し、「こどもの日は引き揚げの歴史を知ろう」を開催した。
当日は天候にも恵まれ、約2700人(主催者発表)の来場者で賑わい、学芸員が子供たちに記憶遺産や引き揚げの資料をわかりやすく説明するコーナーや、コーリャン粥など当時の食を体験するコーナー、丸太切りなどの労働体験が企画され、当時を体験することで、引き揚げの歴史や平和の尊さを学んだ。
また若浦中学校の生徒がオープニングセレモニーとしてハンドベルの演奏や引き揚げの歴史を紙芝居を使って説明し子供たちに「引揚」のバトンを渡していった。
今年から同館の学芸員に就任した小川はる菜さん(22)は「私自身こういうイベントは初めてで、色んな年代の方が来てくれて嬉しい。もっと勉強して、こういったイベントを通じて引き揚げの歴史を語り継いでいきたい」と語った。
またイベント以外でも平和を語り継ぐ活動は行われている。
4月27日、東舞鶴高校の生徒が遠足で訪れ、同館を見学、歴史を学んだ。
この取り組みは、生徒たちに舞鶴の文化や歴史に触れ、舞鶴を知ることで故郷を好きになってもらうために行っている。
同校は秋には人権学習。12月には沖縄での平和学習などが控えており、人権や平和などの観点から「人」の教育に力を入れている。
引き揚げの語り部を担当したNPO法人舞鶴・引揚語りの会の谷口 栄一理事長(67)は「舞鶴を知るためにこういう機会を持てるのは、大変素晴らしいこと。こういったことの積み重ねが平和を創っていくのだと思います」と感慨深げに語った。

まだ記憶に新しいユネスコ世界記憶遺産に登録され、話題になった引揚記念館と東舞鶴高校は深い絆で結ばれている。
ユネスコ世界記憶遺産登録に向けて、PRや署名活動が行われていた頃、東舞鶴高校国際文化コースの生徒が引き揚げの歴史を学んだのをきっかけに「舞鶴を発信するために、僕たちができることはなんだろう」と考え、授業でアメリカ・カナダへ行った際に、署名用紙を自ら英訳し署名活動を行いました。
また現地の人たちに舞鶴のPRとして、引揚の歴史を寸劇で表現し、岸壁の歌も披露。
最終的に5万件以上の署名が集まり、生徒たちの行動は、署名数だけでなく引き揚げの歴史を世界に伝え、登録へ大きな後押しとなった。
同館の山下美晴館長は「ユネスコ世界記憶遺産登録に一役も二役も買ってくれた東高の皆さん。こういった繋がりや交流を通じて、引き揚げの歴史が語り継がれることは大変嬉しく思う」と笑顔で話した。
引き揚げの歴史を学び、それぞれにふるさとのことを考えた子どもたち。
先人の方たちによって紡がれてきた舞鶴は、彼らの目にどう映ったのだろうか。