屋敷さん 九条朝市で魚屋50年 先代の父を継ぎ 田井漁港の旬を売る 継続の力 買い物客次々と 川沿いの灯 消さない【舞鶴】

屋敷さん 九条朝市で魚屋50年 先代の父を継ぎ 田井漁港の旬を売る 継続の力 買い物客次々と 川沿いの灯 消さない【舞鶴】

投稿日時:2013年3月29日

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大門・八島通り間の与保呂川沿い九条朝市で、魚屋を唯一続ける屋敷律子さん(63)=舞鶴市田中町。先代の父、故山田幸夫さんを継ぐ2代目で、父から数えて50年以上に亘り朝市でその日獲れた旬の魚を販売している。かつてはぎっしりと出店者が並んだ朝市。屋敷さんは「再び賑わいのある朝市に」と願っている。
 田井出身の屋敷さんは昭和60年から父の跡を継ぎ、日曜日以外は毎朝田井漁港まで車で魚を買い付けに行き、九条朝市で販売している。父が亡くなり販売を辞めようと思っていたが、お客さんから続けて欲しいとの声が多く、屋敷さんが母と一緒に引き継いだ。
 午前10時頃、車の後ろにイワシ、タコ、カレイ、カワハギ、赤ナマコ、アワビ、サザエ、イカなどが並ぶと、「今日は何がある?」と買い物客が次々と押し寄せた。注文する人や、素手で魚を掴みトレイに乗せて渡す人らが、屋敷さんと魚の調理法や近況などを話しながら買い物を楽しんでいた。京都や大阪からも、帰郷した舞鶴出身者が買いにくるという。漁果によって品揃えや出店時間は変わるが、午前10時ごろから午後0時半くらいまで営業している。
 九条朝市は、平成6年に全国の朝市を特集した雑誌の記事に掲載されるほど、盛況で有名だった。屋敷さんの父の頃は川沿いを店が埋め尽くし、道路の反対側で販売する人もいた。当時は場所も早い者勝ちで取り合いだったが、現在は川沿いに駐車する車と場所を取り合う程度で出店者が減っている。
 屋敷さんは「今は売る人もお客さんも減って、私たちのように昔から続けている人しか残っていない。地元のものが買える朝市に、もっと人が来てほしい。活気を取り戻したい」と話していた。
 スーパーでも商品は買えるが、地元の人が自ら栽培したものや近場で獲れた素材を売り、地元の主婦がそれを買ってその日のおかずにする健全な構図が朝市にはあり、そこでしか生まれないコミュニケーションもある。車がただ停まっている川沿いよりも、人で賑わっている川沿いの方が、望ましい街の光景ではないだろうか。

写真=大門・八島通り間の与保呂川沿い九条朝市で魚屋を唯一続ける屋敷さん(中央)