子供と心通わせ36年 障害児歯科医療の先駆け 3月末で退任 府立舞鶴こども療育センター 古森さんに感謝状【舞鶴】

子供と心通わせ36年 障害児歯科医療の先駆け 3月末で退任 府立舞鶴こども療育センター 古森さんに感謝状【舞鶴】

投稿日時:2016年3月25日

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北吸の肢体不自由児施設「府立舞鶴こども療育センター」の開設以来、36年間にわたって障害児の歯科診療を続けた浜の開業医で、同センター歯科医長の古森輝彦さん(75)が、今月末で退任する。子供たちに接して信頼を得て、府北部で障害児の歯科医療の先駆けとなった。同センターから感謝状を贈られた。(青木信明)
 同センターは1979年の開設。障害のある子供たちが入所しながら治療を受け、隣接する舞鶴支援学校北吸分校で学んでいる。現在は府内の23人が入所する。
 開設時から歯科診療を行う予定だったが担当医が見つからず、翌年になって当時、養護学校の歯科校医だった古森さんが、府歯科医師会舞鶴支部から派遣され、週1回の治療が始まった。障害児の歯科治療の経験はなかったが、大阪市内で実績のある開業医の元で教わり、京大付属病院歯科口腔科で1年間研修医となり学んだ。
 口を開けたがらない子やじっとしていない子もおり、治療は難しいが、自分しかやる人はいないと決意し手探りしながら進めた。10年して少し自信がついきてきた。開業医から派遣される歯科衛生士による口腔ケアも継続され、口の健康状態の改善につながった。
 10年ほど口を開けてくれない女の子もいたが、根気よくつきあうとやがて治療をさせてくれるようになった。いまでも古森さん以外の歯科医師の前では、口を開けないほど信頼が深い。
 以前は口を開けられない子には全身麻酔をかけ治療したが、現在は重病の子は舞鶴共済病院や、障害児治療を専門に学んだ市内の2人の開業医に任せるなど、役割分担ができている。
 そうした熱意と腕前が知られるようになると、障害者支援施設や特別養護老人施設、在宅などでも求められ、携帯の治療機器を使って訪問歯科診療を行っている。
 古森さんは「あせらず出来ることからやっていこうと思った。自然体で診療に臨み、心を通わせあうことを大切にしてきた。子供の扱いが苦手だったのに、純真な子供たちに接してだんだんと変わり、自分も成長できた」と振り返った。
 同センターの四方あかね診療部長が感謝状を、看護師らが花束を贈った。
 同センターは行永の舞鶴医療センター隣接地に移転され、新たな歯科開業医が治療を担う。

写真=看護師から感謝の花束を受けとる古森さん