元小学校教諭で舞鶴美術協会会員・荒木さん(水間) 思い出アルバムへ画集と随筆集、自分史自費出版【舞鶴】

元小学校教諭で舞鶴美術協会会員・荒木さん(水間) 思い出アルバムへ画集と随筆集、自分史自費出版【舞鶴】

投稿日時:2008年7月1日

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元小学校教諭で舞鶴美術協会会員の荒木花子さん(83)=水間=が、これまで描きためた墨画などをまとめた画集と随筆集を、自分史として自費出版した。最愛の夫との別れ、膝・腰痛などで入退院を繰り返し、重い後遺症を持つようになったが、歳を重ねたいま、地域の大切な巨木のケヤキや多くの友人たちに支えられ、歩行器とともにスローなペースで前を向いて歩んでいる。10月には作品展も開く。  大江町生まれの荒木さんは、小学校教諭として三笠小や中筋小などに勤務し1981年に退職。48年に結婚し子育て、両親の世話、百姓仕事、89年に66歳で亡くなった夫の行正さんの看病と多忙な日々を過ごした。夫の没後7年間に5回の手術を受け、下半身麻痺の障害を持つようになった。  40代で墨画を習いその後独学で楽しみ、舞鶴美術協会や日本南画院にも入り腕を上げた。病気などで思うように描けないが、夫が車を運転してスケッチに連れていってくれた時の下絵が多く残り、それを仕上げて昨年も協会展に出品した。  絵や詩吟、手紙や随筆を書くことを趣味に楽しむが、「思い出のアルバムを作ろう」と昨年から準備。最初は画集に文を添える予定だったが、絵と随筆を分けた。画集はA4判変形で127ページ、随筆集はAB判で158ページ。あまのはしだて出版(宮津市)から各作350部ずつ印刷し、友人らに贈っている。  両作とも題名は「欅さまと共に」。このケヤキは水間の人たちが大切に守る木。樹齢は1000年以上、幹回り5.17メートル、枝は天に向かって大きく広がる。リハビリを兼ねて、自宅からケヤキまでの約70メートルを台車を押して散歩する日課を九年間続ける。日毎の美しさを見、幹に耳を当てて音を聞き、「生きる勇気を与えてくださいます」と畏敬の念を持つ。  画集は約500点の中から約200点を掲載した。墨絵、絵の具で彩色した絵、点描風に仕上げた作品も。入院する夫の世話の間にスケッチした風景画、没後の悲しみの中、供養のために描いた仏画など夫との思い出が詰まっている。  夫の残した日誌を引き継ぎ日々の出来事を記録し、それを元に書いた文章を加筆し随筆集に収録。車椅子生活で一時気落ちしたが、いまは歩行器を利用して野菜作り、散歩で野の草花の美しさに気づき、通院に使うKTRの電車内で乗客と会話をする日々などを綴っている。  荒木さんは「ケヤキさまや友人、趣味に支え励まされ、ここまで生かされていることを感じ、元気をもらっています」と話していた。10月のギャラリー・サンムーン(浜)での記念作品展に向け、気力も充実している。

写真=画集などを手に「障害を持ちゆっくり歩くことで多くのことに気づきました」と話す荒木さん

【舞鶴】