フィリピン出身で舞鶴在住の廣田さん 日本語能力試験1級合格、難関を突破【舞鶴】

フィリピン出身で舞鶴在住の廣田さん 日本語能力試験1級合格、難関を突破【舞鶴】

投稿日時:2005年3月25日

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フィリピンから来日して舞鶴に在住する廣田ラケールさん(44)=行永=が、日本国際教育支援協会などが実施する日本語能力試験の1級にこのほど合格した。日常会話ができ、新聞が読める多くの漢字や読解力などが必要とされる難関を突破。ボランティアによる日本語教室に通って勉強を続け、2級合格後に夫を亡くした悲しみを乗り越え、長男の大学合格とともに二重の喜びの春を迎えた。一緒に教室で学ぶ仲間たちからも祝福を受けている。廣田さんはマニラ市出身で、大学を中退して23歳の時に来日、その後に結婚し家庭生活を築いてきた。英語とタガログ語は堪能だが苦手な日本語を身につけようと、フィリピンから来た女性たちに、修道会「聖母訪問会」(小浜市)のシスターの原田従子さんが約15年前から、ボランティアで教える日本語教室に、1期生として学び始めた。日星高校で開かれる教室に月2度通ってコツコツと勉強し、11年前に日本語能力試験の3級、10年前に400点満点の396点で2級に合格した。同試験は日本語を母語としない人が対象で、昨年度は国内外の39カ国で約32万1000人が受験。1級~4級の認定基準がある。海外の学生が日本の大学に留学を希望する場合、この試験の認定を受けていることが留学可否の審査の参考にもなっている。1級は常用漢字(1945字)に匹敵する2000字、語彙1万語程度を習得し、社会生活に必要な読み書きや聴く、文法の高い力が試される。新聞記事なども出題され、7割以上の得点が合格のライン。昨年度の国内の受験者で認定率は46%だった。原田さんの教室には87人が登録し、2級合格者は10数人。いつも通ってくるのはこの約10人たちだが、1級の壁は高く合格者はいなかった。廣田さんは一度1級に挑戦したが失敗。その後、7年前に夫の良一さんを病気で亡くし、ホームヘルパーの勉強もあり試験から遠ざかっていた。しかし、その間も原田さんの励ましを受け、この3月に東舞鶴高校を卒業した長男の健司さん(18)の中学時代の教科書で勉強を続け、自信がついたことから2回目の挑戦をし見事に合格した。健司さんが受験生の経験から、問題の解き方など受験テクニックを教えてくれたという。その健司さんも関西学院大学に合格し、親子で喜び合った。これまで老人会の国際交流会に出席したり、地域にもすっかり溶け込む。昨年はホームヘルパーの2級の資格も取得した。廣田さんは「原田さんと一緒に1級を目標にがんばってきました。これからも文章が正確に書けるように勉強を続け、資格を活かしたヘルパーや通訳の仕事もやってみたい」と目を輝かせていた。原田さんは「廣田さんは分からない言葉があればメモをし質問する熱心さで学んできました。初めての1級合格は教室のみんなの励みになります。学んだ言葉を使って日本とフィリピンとの交流に活躍してほしい」と見守っている。

写真=認定書を手に喜び合う廣田さん(右)と日本語を教える原田さん