ハゼ科の絶滅危惧種 タビラクチ 舞鶴湾で初採集 京大水産実験所院生の松井さんが論文発表 日本海側の分布・見直しへ 干潟以外の調査範囲拡大を【舞鶴】

ハゼ科の絶滅危惧種 タビラクチ 舞鶴湾で初採集 京大水産実験所院生の松井さんが論文発表 日本海側の分布・見直しへ 干潟以外の調査範囲拡大を【舞鶴】

投稿日時:2011年12月24日

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写真左=タビラクチの標本を持つ松井さん
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写真右=舞鶴湾内で採集されたタビラクチ(松井さん撮影)

長浜の京都大学舞鶴水産実験所を拠点に研究活動をする同大学大学院農学研究科・博士課程一年の松井彰子さん(26)が、環境省レッドリストの絶滅危惧種に指定されているハゼ科のタビラクチを舞鶴湾で初めて採集し、このほど論文で発表した。日本海側の分布域の北限と東限を大きく更新しただけでなく、干潟を形成しない砂泥底の浅場で淡水が湧き出す湾内にいたことで、新しい生息環境が分かった。  昨年夏、湾内でけた網をひきタビラクチを見つけ、その後生息環境を調査してきた。標本にしたものは昨年9月~10月に採集した約18ミリ~34.9ミリの8匹。京都府内の汽水域に生息する魚で、近い将来野生で絶滅が心配される絶滅危惧IB類が見つかったのは初めて。  タビラクチのこれまで知られている国内での分布は、日本海沿岸では長崎県北部から山口県まで、太平洋沿岸は宮崎県から和歌山県などで、潮位差の大きい泥底の干潟に生息している。  一方、今回見つかった舞鶴湾の箇所は、1日の潮位変動が小さく、干潟ではない砂状の泥底だった。また、採集地点周辺は陸から淡水の流入がないにも関わらず、局所的に海水塩分よりも低い塩分域が多数存在したことから、海底から湧き水が出ていると考えられる。  松井さんは「干潟以外の環境でも生息していけることが今回の調査で明らかになり、より効果的な保護活動を行うために調査する環境の範囲を広げる必要があります」と話す。