ゾウのいない世界に想像力を 舞鶴出身の井上さんが絵本出版 「『喪失』に可能性」 3月に赤れんがパークで原画展【舞鶴】

ゾウのいない世界に想像力を 舞鶴出身の井上さんが絵本出版 「『喪失』に可能性」 3月に赤れんがパークで原画展【舞鶴】

投稿日時:2014年2月21日

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 舞鶴出身の画家・アーティストの井上奈奈さん=東京都在住=が、初めての絵本「さいごのぞう」(キーステージ21)をこのほど出版した。絶滅の危機にあるゾウへ想像力をめぐらせてもらう物語を、印象的な絵と言葉で伝えている。「ゾウの置かれている理不尽な状況を変えてゆきたい」との想いを作品に込めた。3月には赤れんがパーク3号棟で原画展が開かれる。
 井上さんは城南中、西舞鶴高出身。16歳でアメリカへ留学し、美術を学んだ。主に女性や動物をモチーフにした絵画を制作し、ニューヨークや上海、国内で作品を発表している。舞鶴市内でも個展を開いた。
 NPO法人トラ・ゾウ保護基金(東京都港区)のロゴマークを手がけたことがきっかけで、ゾウの保護活動を広げたいとする同基金の相談を受け、メッセージを込めた絵本を井上さんが提案した。1979年には134万頭のアフリカゾウがいたとされるが、89年に象牙の国際取引が禁止されるまでの10年間に約62万頭にまで激減した。
 絵本は主人公のひとりぼっちのゾウが旅に出る物語。のっそ、のっそと進んでいく。主に色鉛筆を使って、霧がかかった風景の中にゾウがいるような表現を試みた。あとがきにかえての中で「読み手が、見て感じて想像力を連ね、未来が変わってゆくことによって完成される『欠けた絵本』」と記す。また、同基金が取り組む人とゾウとの共存の活動なども紹介している。A4変形横型、32ページ。1,600円(+税)。書店で発売中。
 井上さんは「自分の大切な何かに対して『喪失』の可能性を想像する時を持ってほしいという気持ちで、今回の絵本を作りました。絵本という特別なツールの魅力を自分自身が気づくことにもなりました」と話す。
 原画展(舞鶴観光協会主催)は3月8日~17日の午前9時~午後5時、北吸の智恵蔵で開かれる。初日は井上さんが来館する。 【問い合わせ】電話66・1035、同蔵

写真=絵本「さいごのぞう」を手にする井上さん